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高校生のボランティアガイド 第2弾!

3.11を学ぶ

 先週につづき高校生がMEET門脇のボランティアガイドに挑戦!
今週は“認定NPO法人 杜の伝言板ゆるる“が主催する「NPOで高校生の夏ボラ体験2023」を通して4人の高校生が参加してくれました。

 最終日に行うボランティアガイドに向け、最初の2日間はMEET門脇周辺の施設や、地域の町内会長さんにお越しいただき歴史などを知ってもらう時間を設けました。

 当日は、滋賀県、北海道、宮城県(石巻市、仙台市)からお越しになった合計11名を案内。小、中高生を連れたご家族もいらっしゃり熱心に耳を傾けてくださいました。またNHKの取材も入り、ガイドの様子は東北エリア限定で放送されました。

 その他、MEET門脇と石巻日日新聞が運営している「絆の駅 石巻NEWSee(ニューゼ)」にて11日からスタートした企画展示「関東大震災から東日本大震災~地元紙が報じた100年の災害~」の展示準備も手伝っていただきました。

最後に、とても濃い3日間だったと言ってくれた高校生4名の感想文を掲載します。

・馬場 澪璃さん(高校2年生)<ボランティアガイドを経験して>

 私は、今回初めてのボランティアガイドをしました。全部で約1時間、3組11名の方に案内をしました。始まる前は緊張して落ち着かなかったですが、来てくれた方々が熱心に聞いてくださったり、うなずきながら聞いてくださったりしたので、私も安心して伝えたいことを伝えられたのかなと思います。

 お客さんの反応や表情を見ることも楽しく、あっという間の1時間でした。 また、話しているうちに自分の考えが明確になっていくのを感じました。ボランティアガイドの経験は話を聞くだけでなく、さらにそれを発信することで、自分もお客さんと一緒に学んでいるような感覚になりました。  

 今まで、外観しか見たことがなかったMEET門脇に、こんなに人が来ていること、それほど震災について知りたいと思っている人がいて、伝承している人もいるということを私は今回初めて知りました。 だから伝承活動に携わってみて当時はまだ小さく、あまり記憶がない私にも東日本大震災は関係ないことではなく、今後ほかの地域の人にかかわるときに、当時の石巻や今の石巻について話せるようにしたいと思いました。

<3日間を通して>
3日間、様々な活動をしました。きっかけは友人からの誘いでしたが沢山の人に会い、お話を聞き、被災前の門脇地区にはいろいろな建物があったことや、実際の避難の様子など今まで知らなかった石巻について知ることができました。

 私が印象に残っていることは東日本大震災の災害ボランティアについてです。石巻専修大学で会議をしている様子やテントの写真を見て、「こんなにも多くのボランティアが来ていたんだ!」と驚きました。ボランティアの人、種類の多さにも驚きましたが、災害ボランティアの奥深さにも興味深いなと思いました。 炊き出しなどの1対多数のボランティアでは言えない被災者の本音・要望が、マッサージなどの1対1のボランティアの時にその本音や要望が漏れて、それを会議で共有して問題を解決できる人が解決する。という“連携”が大切なこと。現地に行かないとわからない被災者のニーズがあること。様々なことを初めて知りました。できることで役に立ちたいという多くの人の心があり、素敵だなと思いました。

 様々な人に助けてもらったことに感謝し、忘れないでいきたいです。他にも沢山の学びや気づきがあり、普段できない経験ができて充実した3日間になりました。

・文屋 伶太さん(高校2年生)<3.11メモリアルネットワークでのボランティアを経験して>

 今まで画面を通してしか学んでこなかった「東日本大震災」。今回私は、震災の被害を生で見て自分の知識や理解を深めるために参加した。 3.11メモリアルネットワークさんで三日間活動していく中で、「伝承」の大切さを強く感じた。

 初めの二日間で、震災による被害やその後について教えていただいた。その中で、以前この地域には1000世帯を超える家があり、たくさんの人々が日常生活を送っていたこと。そして到底信じられることではないが、それら全てが一日にして壊滅状態になったことに、最も衝撃を受けた。 今は津波復興祈念公園となっている南浜地域。公園という今の姿からは想像できないような、人々の何気ない日常がそこには確かに存在していた。それを知識として知るのは簡単だが、実際に見て想像してみると、なかなか信じられない。ボランティアに来てはじめは、そこが昔からずっと公園だったかのように感じてしまっていた。

 震災さえなければ、あの日が普通の日だったなら、今でもそこは災害危険区域になどならずに、いつもの日常があった。小学校には大勢の生徒が集い、スーパーは賑わいを見せ、たくさんの暖かな家庭があったはずなのだ。しかし現実、今はそれらの面影すら感じられない。震災の残酷さを、そして当時の被災者の方々の想像を絶する苦しみや悲しみを強く思い知った。

 実際に震災遺構を見学したりMEET門脇の展示を見たりして、初めて知った詳しいことや、それらから感じ学んだことは本当にたくさんあった。例えば、幼稚園バスや引き渡しをした後に亡くなった児童の話だ。高台にいたのになぜか山を下りてしまって、助かることができたのに助かることができなかった。また、孫の帰りを待っていて津波にのまれてしまったおじいさんがいた。これらは守れたかもしれない命だったように感じた。 しかし実際、突然地震や津波、災害が発生した際に瞬時に最善の判断ができるとは限らない。だからこそ、震災で起こった地震や津波の恐ろしさや、守れた命があったこと。それを守るためにはどうしなければいけなかったのか、私たちはどう、次の災害に備えればいいのかを沢山の人に、そして後世に伝えていく必要があると感じた。そうすればきっと、次に震災が起こった時も、3.11の教訓や経験を生かして、より多くの命を守ることに直結するのではないのだろうか。

 今回、MEET門脇のガイドを体験することで実際に「伝承活動」を行った。 私自身は、MEET門脇から見える門脇小学校と、石巻南浜津波復興祈念公園のガイドを担当した。その準備段階で、学んだことを整理し話す内容をまとめ、実際に自分が学んだことを来場者の方にアウトプットしていく中で、ただ伝えるだけでなく自分自身の理解にもつながり、より深く震災について知ることができた。

 聞いてくださった方も自分の話をしっかり聞いてくださり、落ち着いて話すことができた。そこで得た震災を伝承していく活動に携わることができたという誇り、これからも伝承していかなければならないという責任、そして人と向き合い、自分なりの伝えたいことを正面から伝えるという経験は、震災という枠を超えて、自分の将来にも生かすことができるとても大きなものだった。このMEET門脇での経験をもとに、これからも自分なりの「伝承」と向き合い活動していこうと思う。

・永沼 心育さん(高校3年生) <ボランティアガイドを通して>

東日本大震災を伝承する活動を行うことで沢山の人と触れ合うことができると同時に、自分自身としても成長できたいい機会となりました。

 初めにスタッフの藤間さんのMEET門脇でのガイドを聞き、それをもとに訪問していただいたお客さんに高校生四人で手分けをして説明を行いました。もちろん一発本番ではなく、前日から練習の場を設けられていましたが、いざメモ帳にある言葉を口に出してみると、ところどころ言葉が詰まってしまったり、表情が硬くなったりと問題点が山積みであることが分かり、家に帰ってからも大切な要点を再度確認しました。人生初のガイドへの緊張で、その日の晩はよく眠れませんでした。

 私は、お客さんが来て一番はじめに入るブースの案内をしました。入ってすぐにある当時4500人が住む門脇エリアの模型では、三日間で教わったことや、震災を体験した町内会長の本間さんのお話などをもとにお話をしました。 道路を境にもう一度住める(可住エリア)と、もう二度と住めない(非可住エリア)に分かれており、初めて門脇に訪れた際に一部住宅がなく、一面に緑が広がっている理由が分かりました。

 石巻日日新聞さんの六枚の壁新聞では、新聞を作る機械が被災してしまったために新聞を発行することが一時は出来ないと思いましたが、「紙とペンならある!」と知恵と工夫を凝らす姿にとても感銘を受けました。今年の9月11日で100年となる関東大震災で起こしたデマやフェイクニュース大混乱の失敗を活かし、2011年3月12~13日の石巻日日新聞では赤文字で目立つようにでかでかと「正確な情報で行動を!」という被災者に伝える工夫がされていました。

 また、1年間で累計28万にもおよぶボランティア、NPOの力によって被災地の大きな支えになり、この活動により多くの地域の人々が信頼してくれる出来事の一つになったことを知ると同時にお客さんの声に直接触れることができました。 また、ガイドの数を重ねるごとに緊張も解け、私の一番の武器であるフレンドリーさや、笑顔が存分に発揮できたのではないかと思います。

 この活動を通して「昔、そういったことがあった、で済まされないように」、そしてまた同じことが起こらないように、私たちが今すぐにできることから始めると共に次の時代へと伝承していきたいです。

・鈴木 七海さん(高校3年生)      

 私は、震災当時5歳で幼稚園の年長でした。震災の記憶があるかと聞かれるとそうではありません。しかし、私の祖父母は門脇ではなく大川で被災したため大川の被災の話は耳にしていました。今回は、同じ石巻に住む人として、その大川と門脇の違いを知りたいと思い参加させてもらい展示物を来館者に紹介する活動をおこないました。

 私は、4つの「思い出の品」といわれる遺品と当時100人の行動を示すプロジェクションマッピングについて紹介をしました。この活動を通して感じたことが2つあります。

 1つ目は、一人ひとり感じたことや体験したことは異なるということです。私を含め同じく東日本大震災を経験していても全員が同じではありません。それぞれの遺品とプロジェクションマッピングについての話を聞き、現在はまとめて被災者といわれているので、それは本当にいいことなのかと考えさせられました。  

 2つ目は、生きているすべての人は災害についてもっと理解を深めるべきであるということです。今までは自分の身近な人からの話や学校での活動を通しての知識しかありませんでした。しかし、この活動を通して門脇で起きたことを中心に学んだことを他県から来る人に伝えようと活動に力をいれました。  

 最後に、現在は東日本大震災が主になっていますが、これから生きている限り大きな災害にあうかもしれません。今回の活動を機に、命の尊さを知れました。被災でなくなってしまった方を含めこれからのために、いま私たちにできることは沢山残っているとおもいます。それは、「同じ悲劇を繰り返さないため、家族との避難場所を確認すること」「防災体制を作ること」「東日本大震災を多くの人に伝承していくこと」であり、真っ先の行動がまわりの命をすくうことだと知りました。