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第10回 県内語り部講話を開催!

 第10回県内語り部プロジェクトは、震災遺構仙台市立荒浜小学校の職員であり、また「HOPE FOR PROJECT」の代表をされている髙山智行さんをお招きし、みやぎ津波伝承館で実施させていただきました。荒浜小学校の震災遺構としての取り組みだけではなく、地域での取り組みを通して触れてきた元地域住民の抱えているジレンマを振り返り「震災復興とは誰のためなのか?」問いかけられました。

 

 会場のみやぎ津波伝承館が立地している石巻市南浜地区では、県にひとつの追悼施設を含む復興祈念公園となりましたが、荒浜地区では集団移転跡地利活用として、仙台市が土地を貸して事業者が入るという方針に。

 震災直後から安否確認や荒浜地区での写真の回収・返却活動、荒浜地区を想う人々が集う場づくりに努めてきた髙山さんは、仙台市と膝をつきあわせてやり取りしてきました。しかし最終的には元地域住民の声が反映される機会は叶わず開発は進むこととなり、「今生きている人たちの声なき声をもっと伝承すべきだ」と話します。

 

 元地域住民の声を記録した映像も紹介いただき、石巻市で被災された参加者からは、「震災伝承となるといつも悲しい話ばかりで、たしかに命を守ることは大切だけど、被災した自分たちはどう元気を出して生きてゆけばいいのか?と感じていた」「今回話を聞いて、特に元住民の若者の話が胸に響いた。いろんな思いを抱えながら日々どう生きるのか考えさせられ、ひとりひとりの思いに触れられて良い時間でした」という声が寄せられました。

 また、荒浜地区で活動されている参加者は「行政批判のように聞こえたかもしれないけど、批判のための批判をしているのではなく、ひとりひとりの生きることを尊重してほしいだけなんです」と発言され、髙山さんは「今生きている人たちが震災伝承に関心を持たないと次の世代には継承されない。震災後に生きる人たち、今生きる人たちのことを伝えてゆける取り組みが必要」と、震災復興・震災伝承の在り方を考えさせられた時間となりました。

 

 引き続き、3月末まで県内語り部プロジェクトは継続させていただきます。1月から延期開催もあるため、2月は3回実施する予定です。まだまだ感染防止に努めつつとはなりますが、皆さまのご参加お待ちしております。

県内語り部講話 次回以降のスケジュール

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