東日本大震災の民間伝承活動を支える貴重な財源である「3.11メモリアルネットワーク基金」助成は、最初の2年間を日本たばこ産業株式会社および日本NPOセンターからご支援いただき、2022年度分から民間寄付金によって運営しています。
2022年度助成は、17件(申請総額:15,843,862円)の応募があり、厳正なる審査の結果、以下13事業(計9,477,050円)が採択されましたので、ご報告いたします。
事業期間は、2022年4月1日から2022年3月31日です。
No. | 団体名 | 地域 | 事業名 | 助成額 |
1 | 一般社団法人トナリノ | 岩手 | 東日本大震災を次世代へ伝承する中高生語り部の立ち上げと実証 | ¥1,177,175 |
2 | 海の見える命の森実行委員会 | 宮城 | 次代を担う若者達の誰しもが語り部伝承へ誘うプロジェクト | ¥1,275,000 |
3 | 公益社団法人こどもみらい研究所 | 宮城 | 石巻日日こども新聞 | ¥1,275,000 |
4 | 日和幼稚園遺族有志の会 | 宮城 | 子どもの安全を守る伝承活動 | ¥1,275,000 |
5 | team汐笑プロジェクト | 福島 | 大熊未来塾~もうひとつの福島再生を考える~ | ¥750,000 |
6 | 一般社団法人東北お遍路プロジェクト | 広域 | 「東北お遍路巡礼ポイント」をツールとした観光回廊の整備および持続可能な復興都市の創出支援事業 | ¥487,475 |
7 | 特定非営利活動法人津波太郎 | 岩手 | 大津波の教訓をつなぐ ―田老の東日本大震災大津波から10年の復興記録誌作成― |
¥450,000 |
8 | 一般社団法人健太いのち教室 | 宮城 | 東日本大震災からの学びの伝承 ~組織管理下におけるいのちを守る災害安全対策に関する普及・啓発~ |
¥500,000 |
9 | きずなFプロジェクト | 宮城 | 震災紙芝居「みゆうとゆうみ」の絵本作成と幼稚園等への普及 | ¥500,000 |
10 | 一般社団法人閖上の記憶 | 宮城 | 「閖上の記憶」“いのち”への気づきを伝える伝承活動強化事業 | ¥450,000 |
11 | 特定非営利活動法人虹色たんぽぽ | 宮城 | 聞き書き人のいる町プロジェクト in 亘理 | ¥437,400 |
12 | 遠足プロジェクト実行委員会 | 宮城 | 市民の手でつくる災害伝承資料館 | ¥450,000 |
13 | ふくしま震災・復興まちづくり研究所 | 福島 | “震災前とその後の地域災害と防災への取り組み”を伝えるプロジェクト | ¥450,000 |
審査に当たられた委員からいただいたコメントを以下にご紹介します。
兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科 科長 室崎 益輝委員 |
阪神・淡路大震災の伝承をさらに発展させた素晴らしい取り組みが展開されています。市民や民間が担い手の中心となって活躍していること、未来を担う若者や子供たちが伝える役割を果たしていること、被災体験を語り継ぐ活動を継続的に展開していること、そして何よりもこうした多様な活動が交流し連携して展開されていることを、評価したいと思います。 こうした活動を市民の手による311基金が支援していることも、素晴らしいと思います。 |
東北大学災害科学国際研究所 准教授 佐藤 翔輔委員 |
精力的なご活動誠にありがとうございます。震災発生から11年を経過しただけあって(ここまでつづけられてきたこともあって)、申請内容やメディア等から,皆様の厚みのある・骨太な活動を垣間見ることができます。 基金制度の設立からも数年を経て、その実りがはっきりと見えてきています。震災伝承の最前線のなかで、持続的に地に足をつけてのご活動・ご尽力は、並大抵のことではないと想像しております。これからも、ともに、よろしくお願い申し上げます。 |
中越防災安全推進機構 アドバイザー 山崎 麻里子委員 |
「新たな価値を創出する」だけでなく、これまで継続されてきた活動の「価値を高める」ためにも基金が活用されるようになってきていると感じました。 また、震災伝承の形、手法がさまざまであることを知るきっかけとしても、基金申請は有意義だと思われますので、今回の申請事業がどのような結果になったのかも含め、ネットワークの会員の皆様に共有していただき、互いの活動を知り、高め合いの一助になることを願っています。 |
東北被災地の伝承活動を支える3.11メモリアルネットワーク基金は、皆様からのご支援・ご寄付によって支えられています。
どうか、東北の被災地における未来の命を守る活動の継続に、ご寄付をいただけますようお願い申し上げます。
※2023年度助成分からは、https://311mn.org/のサイトに移動しています。