カテゴリー:伝承を支える

2021年度震災伝承調査(速報分)のご報告

東日本大震災の伝承活動の現状と課題の共有、防災・減災活動の活性化を目的に、2017年より調査を実施しており、今回、2021年12月までの来訪者の現状を速報致します。

岩手・宮城・福島の3県で震災伝承活動に取り組む団体・施設にご協力いただいており、最終的な取りまとめは3月予定ですが、これまでご回答をいただいた震災学習プログラム提供団体(21団体)、震災伝承施設(30施設)の受入数集計結果を、先行して公開いたします。

発災から10年11カ月が経過し、新型コロナの影響も続く今、震災伝承活動も岐路に立っています。
そうした状況下での各地の活動の現状や課題、新たな取り組みについて、多くの方に知っていただければ幸いです。

【参考】2022年10月に詳細な調査報告書を発行いたしました。以下のリンクから、報告をダウンロードいただけます。
「2021年伝承活動調査報告書を公開しました」

 

震災学習プログラム 年別受入人数推移(速報・21団体)

  • 2021年年間の震災学習プログラム参加者合計は88,859名。
    前年比約137%に増加したが、コロナの影響がなかった2019年の約59%と、低い水準にとどまった。
  • 月別では、新型コロナウィルス感染症の緊急事態宣言の解除以降の10-12月の受入れ人数が非常に多く、年間の約56%がこの3ヶ月間に集中した。
  • 参加者の年代区分を把握している団体では、コロナ前と比較して高校生以下の割合が顕著に高くなっており、修学旅行や校外学習による増加と考えられる。

震災伝承施設 年別受入人数推移(速報・30施設)

  • 2021年年間の震災伝承施設来館者合計は780,768名。
    前年比約121%に増加。
    コロナの影響がなかった2019年の約89%まで回復しているようにも見えるが、実際には、2020〜21年に新規オープンした施設も9件含まれることを考慮すると、以前低い水準であると言える。
  • 月別では、3,6,7,10,11,12月の受入れ人数が比較的多く、2019年の同じ月と同程度か多い水準となった。震災学習プログラムと比べると、月別の偏りは少なくなっている。

オンライン語り部の状況

  • 上記の年別受入人数とは別に、一部の団体・施設では、オンラインでの語り部・ガイドも行われている。
  • 2021年には、震災学習プログラム45,405名、震災伝承施設5,947名がオンラインで震災学習に参加しており、前年と比べて急激に拡大している。

調査協力

震災学習プログラム:21団体(岩手3/宮城16/福島2)

一般社団法人宮古観光文化交流協会、三陸鉄道株式会社、一般社団法人おらが大槌夢広場、階上地域まちづくり振興協議会、一般社団法人南三陸町観光協会、三陸復興観光コンシェルジェセンター、南三陸ホテル観洋、一般社団法人女川町観光協会、一般社団法人健太いのちの教室、一般社団法人雄勝花物語、石巻観光ボランティア協会、大川伝承の会、公益社団法人3.11みらいサポート、奥松島観光ボランティアの会、七郷語り継ぎボランティア「未来へ―郷浜」、一般社団法人ふらむ名取、岩沼市千年希望の丘交流センター、震災語り部の会ワッタリ、やまもと語りべの会、NPO法人富岡町3・11を語る会、いわき語り部の会

震災伝承施設:30団体(岩手3/宮城20/福島7)

いのちをつなぐ未来館、大船渡市防災学習館、東日本大震災津波伝承館(いわてTSUNAMIメモリアル)、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館、リアス・アーク美術館(常設展「東日本大震災の記録と津波の災害史」)、唐桑半島ビジターセンター・津波体験館、南三陸ポータルセンター、女川町まちなか交流館、つなぐ館、南浜つなぐ館、MEET門脇、石巻市まちづくり情報交流館(中央館)、石巻市震災遺構 大川小学校、絆の駅 石巻ニューゼ、みやぎ東日本大震災津波伝承館、東松島市震災復興伝承館、KIBOTCHA(キボッチャ)、せんだい3.11メモリアル交流館、震災遺構 仙台市立荒浜小学校、名取市震災復興伝承館、千年希望の丘交流センター、山元町震災遺構 中浜小学校、山元町防災拠点・山下地域交流センター(つばめの杜ひだまりホール)、相馬市伝承鎮魂祈念館、震災遺構 浪江町立請戸小学校、東日本大震災・原子力災害伝承館、双葉町ふれあい広場、東京電力廃炉資料館、福島県環境創造センター交流棟コミュタン福島、いわき震災伝承みらい館

 

調査概要

【対象】岩手・宮城・福島の3県で震災伝承活動に取り組む団体、施設
【期間】2021年1月12日〜2月2日
【方法】メールで依頼・回答
【実施主体】公益社団法人3.11みらいサポート
【一部補助】令和3年度復興庁被災者支援コーディネート事業
【アドバイザー】東北大学災害科学国際研究所 佐藤翔輔准教授
【協力】3.11メモリアルネットワーク

※今回の調査は、[第1弾]受入人数調査 [第2弾]アンケート調査 の2回に分けて実施いたします。この速報は、2/2までに回収した[第1弾]のご回答に基づく内容です。
※3月上旬頃に、[第2弾]も含めた調査結果をご報告予定です。

 

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