認定NPO法人「杜の伝言板ゆるる」主催の「NPOで高校生の夏ボラ体験2019」で当団体に応募してくれた石巻市内の高校生4名にボランティアとして3日間活躍してもらいました。どのような活動したのか、活動を通じてそれぞれが思ったことを記事にしてくれました。
・未来へつなぐ(石巻市立桜坂高等学校3年 阿部真広)
8月11日の午前中「つなぐ館」を見学させてもらいました。震災当時の様子を記録した資料や石巻市の模型を通じて改めて、震災は本当に過酷な状況だったのだということが、分かりました。避難に対する考え方も教えていただきました。避難をする際、まず命が最優先ということを知りました。
続けて、大川小学校より海側にある長面地区に住んでいた、高橋正子さんという語り部さんのお話を聞かせていただきました。震災時の心情や、語り部をしようと思ったきっかけ、命の大切さなど、さまざまなことを教えてもらい、たくさんのことを学ばせていただきました。
これらの体験を通して、自分は本当に良い経験をしたと感じています。これから生きていく上で、ここで学び得たことを活用していきたいと思います。
・忘れないために(石巻市立桜坂高等学校3年 橋本亜佑美)
毎年8月11日に、実行委員会と石巻商工会議所青年部によって開催されるココロの灯りは、震災で亡くなった方々をしのび、追悼の思いを深める行事です。灯篭の設置やスカイランタンの製作を手伝いました。
ココロの灯りを手伝って気づいたのは、多くの方が携わっているということです。その中に、がんばろう!石巻の看板を制作した方がいました。看板は何度も見ることはあるけれど作った方に会うのは初めてでした。看板があることによって県外からたくさんの方が石巻に来て震災を知るきっかけを作り出しているのは素晴らしいことだと思いました。そして、夜になると、私たちが設置した灯篭が輝いてとてもきれいだと思いました。
震災から8年がたちました。亡くなられた方を偲び、追悼の思いを深める行事の大切さは年々増していると思います。一方で復興事業は、場所によってそのスピードに差があるという現実を知りました。ソフト面とハード面の両方での支援が欠かせないと思いました。今回の「NPOで高校生の夏ボラ体験2019」を通して、今の石巻を知ることができてとてもいい経験になりました。
・石巻好文館高校3年 柏崎美穂
夏ボラ体験初日に、防災まちあるきを体験しました。タブレットで石巻津波伝承ARというアプリを使って過去、現在、未来を見比べました。ずっと石巻に住んでいるのにもかかわらず、今、建物がある場所には別の建物がたっていたことなど石巻の中央地区に来ないとわからなかったことがたくさんありました。過去、現在から未来へと変化している様子を実際に見ることができて新鮮でした。この防災まちあるきで石巻についてまだまだ知らないことがあるという事に気付き、石巻のまちや防災についてもっと知りたいと思いました。
最終日には、南浜・門脇地区の住民が南浜つなぐ館に寄せてくださった震災前の思い出を電子データ化して保存しました。震災で変わってしまった南浜ですが思い出は今でも変わらずにそこで過ごした人の中に残っていると感じました。また南浜つなぐ館にきて、思い出を共有することで南浜が残り続ければと思いました。復興して形が変わってしまっても、そこにはたくさんの人の思いが詰まっているという事を忘れてはいけないと思います。
・風化させないために(石巻好文館高校2年 阿部夏海)
夏ボラ体験の初日、南浜つなぐ館の見学をしました。展示されていた遺品の説明をうけたり、震災についての動画を見たりして、当時の状況を再確認することができました。私はVRを初めて体験したのですが、360度どこを見てもあの時の教室や校舎の景色が広がっていて、まるでその場にいるみたいでした。震災を経験していない人達に見て欲しいと思いました。それから、入り口の近くに、付箋が貼った地図をみました。その付箋には、それぞれの地区の思い出がたくさん書かれていました。震災前の記憶も、いずれは風化してしまうので、こうやって書き留めておくことはすごく大事なことだと思いました。
震災当時小学2年生だった私が、今では高校2年生になりました。今後のためにできることも確実に増えているはずなので、今できることを少しずつやっていこうと思います。とても充実した3日間でした。ありがとうございました。
ココロの灯りで高校生ボランティアの皆さんが設置した灯篭やスカイランタンは、鎮魂の思いを深めるきっかけになったと思います。高校生の皆さんが震災学習プログラム「防災まちあるき」体験で使用した「津波伝承ARアプリ」は、今年度中にリニューアルする予定です。ボランティアの皆さんが丁寧に電子データ化してくれた思い出のつまった付箋は、南浜の思い出を後世に伝える新機能で閲覧できるようになる予定です。