先週実施されたまきボラに続き、宮城県内の高校生が様々なNPO団体でボランティア活動を行う「夏ボラ」が実施されました。
3.11メモリアルネットワークでは、8月13日(木)から15日(土)までの3日間、仙台市の高校生を迎えて、MEET門脇での伝承ガイドに挑戦してもらいました。ご案内したお客様は、地元石巻の方、群馬からお越しの方、そして富山市からお越しの小学校教員の方など、2組4名の方々に伝承ガイドを聞いていただきました。
「震災を経験した最後の世代だから、伝えていく責任があると思うんです」
今回伝承ガイドに取り組んでくれた高校生も、先週まきボラに取り組んでくれた高校生たちと同じ言葉で、そう語ってくれました。また、ネットやSNS、メディアに震災の被災地や被災者に対してネガティブな言葉が投げかけられていることに、強く疑問を感じていたそうです。
多くのことを吸収し、迷いながらも伝承に取り組んだ3日間の学びを、レポートとしてまとめてもらいました。ぜひご覧ください。

私がこのプログラムに参加した理由は、東日本大震災を経験した最後の世代として、震災について改めて学び、自分の言葉で伝えてみたいと思ったからです。私は、震災を経験した自分と同世代や、さらに下の世代の中に、東日本大震災に関心を持っていなかったり、時には被災した方々の気持ちを考えないような言葉を使ったりする人がいることに、以前から憤りを感じていました。だからこそ、まずは自分自身が震災についてより深く学び、その上で何かを伝えられるようになりたいと思いました。また、せっかくボランティアへ参加するのであれば、普段生活している場所から遠く離れた場所に足を運び、現地でしか得られない学びを得たいと考え、このプログラムを選びました。
3日間の活動では、石巻南浜津波復興祈念公園や震災遺構門脇小学校、MEET門脇などの伝承施設を見学し、語り部の方やガイドの方のお話を伺いました。
特に印象に残っているのは、石巻南浜津波復興祈念公園です。とても広く、規模の大きな公園でしたが、そこがかつて津波によって大きな被害を受けた街であったことを知り、驚きました。今は公園として整備されている場所を見ながら、震災前にはここに一つの街があり、たくさんの人々の生活があったのだということを改めて考えました。
もう一つ、強く印象に残っているのが、門脇小学校です。私は2日目に校内の見学を終えた後、実際に当時の児童たちが避難した経路を歩きました。住宅が密集していて道幅が狭く、さらにかなりの上り坂が続くため、実際に歩いてみると決して楽な道ではありませんでした。その道を、当時200人以上の人が登って避難できたということに驚きました。そして、そのようなことができた背景には、門脇小学校で日頃から同じ経路を使った避難訓練が行われていたことがあると知りました。災害が起きたときに突然正しい行動をするのではなく、普段から実際の状況を想定して訓練していたことが、いざというときの行動につながったのだと思います。
また、門脇に住んでいた語り部の方のお話も、とても印象に残っています。その方からは、震災そのものについてだけではなく、お子さんとの思い出についてたくさんのお話を伺いました。「ここで魚を取って遊んだ」「この保育園に通っていた」「ここでこんな遊びをしていた」といったお話を聞くことで、震災前の門脇や南浜には、当たり前の日常を過ごしている人々がいたことを具体的に想像できました。
私はこれまでにも震災遺構を訪れたことが何度かありました。しかし、今まで震災遺構を訪れたときには、どうしても「震災が起きた当時」や「震災後に何が起きたのか」ということにばかり目を向けていたように思います。今回の3日間を通して、その見方が大きく変わりました。
震災について学ぶためには、震災が起きる前の街並みや、そこにあった人々の暮らしについても知る必要があるのだと思いました。2011年3月11日に地震や津波が起きたとき、人々がどのように行動したのかということは、その日突然生まれたものではありません。それまでの地域での人々のつながりや、日頃の行動、積み重ねてきた経験などが、その日の判断や行動につながっていたのだと学びました。
例えば、門脇小学校で多くの児童が避難できたことも、日頃から避難訓練を行っていたからこそできたことでした。しかし、災害への備えでは、ただ決められた避難訓練を繰り返すだけではなく、「なぜここへ避難するのか」「もし想定していた状況と違うことが起きたらどうするのか」といったことまで考えておく必要があるとも感じました。
また、今回実際にガイドをすることで、「知ること」と「伝えること」の違いも実感しました。私はこれまで、授業でのプレゼンテーションや文化祭のMCなど、大勢の人の前で話すことには慣れていました。しかし、実際のガイドでは、お客さんの反応を見ながら、どのような言葉を使い、どのような順番で伝えるのかをその場で考える必要があり、とても難しかったです。特に、初対面の方とマンツーマンで話す経験がほとんどなかったため、思っていた以上に苦労しました。
一方で、ガイドを聞いてくださった方々の姿からも新しい発見がありました。私がガイドをした方の中には、群馬県や富山県など、石巻から遠い場所から来られた方が多かったです。その方々からは、震災について学ぼうという姿勢や、もっと知りたいという気持ちが伝わってきました。私はそれまで、震災について関心を持っている人はそれほど多くないのではないかと思っていました。しかし、実際には、遠い場所から被災地を訪れ、震災について学ぼうとしている人がいることを知りました。この経験から、「関心を持っている人は少ない」と決めつけず、関心を持っていない人には自分から伝えに行こうと思いました。
今回の活動を終えて、東日本大震災を「2011年に起きた過去の出来事」として終わらせてはいけないと思うようになりました。震災について知ることは、過去を振り返るだけではなく、自分たちがこれから災害にどう備えるのか、避難するときにどう行動するのかを考えるきっかけにもなるからです。そして、そのためには3月11日に何が起きたのかだけを見るのではなく、その場所で震災以前にどのような暮らしがあり、どのような人たちが生活していたのかを知ることも大切だと思います。
これからは、今回学んだことを少しでも友達に伝えていきたいです。その際にも、震災当日の出来事だけではなく、「そこには震災前にどのような街があり、どのような人々の暮らしがあったのか」ということまで伝えられるようにしたいと思います。私自身も今回の活動をきっかけに、災害について知っただけで終わらせず、自分の生活やこれからの行動にどう生かせるのかを考えていきたいです。
そして最後に、少し話が脱線してしまうのですが、今回のガイドを通して、自分自身の課題も見つかりました。それは、話すときにとてつもなく早口になってしまうことです。伝えたいことがたくさんあると、つい急いで話してしまいました。これは震災のガイドに限らず、これから人に何かを伝えるときにも直していきたいと思います。
今回の3日間で得た学びを、これからの「伝える」という行動につなげていきたいです。

舟橋くん、3日間おつかれさまでした!伝承ガイドを聞いていただいたみなさま、ありがとうございました!