カテゴリー:3.11を学ぶ

県内語り部講話 第6回・第7回を開催!

 県内語り部プロジェクト11月は、第6回「けせんぬま震災伝承ネットワーク」小野寺有一さん、第7回「3.11オモイデアーカイブ」佐藤正実さんに登壇いただきました。 

●第6回 けせんぬま震災伝承ネットワーク 小野寺有一さん
 小野寺さんは、現在「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館」で語り部をされており、震災当時は大島中学校の校長先生でした。地震・津波の大きな被害により大島が孤立状態になってしまった中での対応、そして現在取り組んでおられる自主防災活動についてお話しいただきました。

 地震後、雪も降る中、校舎の倒壊の恐れを考慮し生徒を下校させましたが、その27分後に津波襲来。幸い、下校直後に津波警報が発令され生徒達が学校に引き返し助かりましたが、校長としての判断を深く反省したと語ります。場合によっては下校させないことで守れる命があり、警報が解除されるまで引き渡しをしないという階上小学校の方針も紹介いただきました。

 また、「近助力」と表現された自主防災活動では、近所で支援する体制の確立の重要性に触れられ、「周囲との協働」の重要性を感じられた参加者の声が多くありました。

●第7回 3.11オモイデアーカイブ 代表 佐藤正実さん
 佐藤さんは、「風化はしてしまうもの、だからこそ記録を使い続ける必要がある」と前置きをし、市民とともに進めている3.11前後のまちの記録や人々の記憶・体験を活用する取り組みを紹介いただきました。

 主な取り組みは、仙台市内の沿岸地域をめぐり交流を図る「3.11オモイデツアー」、震災前と今・震災直後と今を定点で撮影する「3.11定点撮影プロジェクト」の2つ。大昔の津波や災害の教訓が忘れ去られることも、まちの記録・記憶を使い続けてこなかったことに原因があると語ります。

 活動のポイントとしては、地元の人だけでなく、地域を越えた参加者とともに交流しながら実施すること。ツアーやワークショップを通して体験を同期することで、当事者自身が震災のつらい記憶だけではなく、震災前のあたたかい記憶をも引き出すことができると語られました。

 過去を物語る写真や本を使っていく必要は、震災伝承施設にも通じることで、参加者からも「記録・記憶を残すこと、使うことが大切」「語り部に話してもらう場をつくりたい」という声がありました。

 

 来月も、12/4(土)「SAY’S東松島」山縣嘉恵さん、12/18(土)「南三陸ホテル観洋」伊藤俊さんにお越しいただいて開催する予定です。今後も県内各地の伝承団体・語り部の方々をお招きして、復興祈念公園周辺がより一層、震災伝承の場となるよう実施して参りますので、よろしくお願いします!

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