2014年(平成26)度に実施された「いしのまき支援連絡会」の様子を、まとめて紹介させていただきます。
「いしのまき支援連絡会」(以下、連絡会)は、2014年4月に、復興公営住宅への移転が本格化していくことなどを見据え、2013年(平成25年)度に石巻市社会福祉協議会(以下、社協)と共催していた「石巻仮設支援連絡会」から名称を変更して継続しています。
連絡会では、石巻を拠点に活動している支援団体や震災前から活動している地域団体の方々と共に、変わりゆく石巻地域の課題に応じて、団体活動方針や支援活動の有り方の話し合うため、状況共有や勉強会、ワークショップを行ってきました。当会は幹事団体の一つとして議事録作成などをサポートしてきましたので、1年分の概要をお伝え致します。
第1回(4月12日)
「地域包括ケアシステムについて勉強会」
石巻市地域包括ケア推進室の職員から、地域包括ケアシステムの5つの構成要素や、将来求められる機能等が説明されました。その後、4月初旬に募集開始予定の「地域づくりコーディネート事業」について石巻市地域協働課から情報共有が行われました。
第2回(5月12日)
「エリア主任・地域福祉コーディネーターとの情報交換会」
社協で地域生活支援員として3つの地区(中央部、沿岸部、内陸部)で業務にあたっている、エリア主任と地域福祉コーディネーターを交えて、支援団体との情報交換会が実施されました。地域ごとの悩みや住民の様子、仮設住民と周辺地域の住民との関係等にもふれられ、普段の活動では聞くことができない地域情報の共有をすることができました。
次に、2013年4月から整備している登録団体紹介シートと、連絡会のメーリングリストに関して再確認と提出依頼が行われました。連絡会の議題や運営手法を提案する場となる運営幹事会に関する情報も改めて説明し、参加の呼びかけも行われました。
第3回(6月12日)
「地域包括支援センターに関する勉強会」
地域包括支援センターの役割と現状を理解することを目的に、北上地域包括支援センターの職員を招いて勉強会が開催されました。従来の地域包括ケアセンターと、市が推進する地域包括ケアシステムとの違いに関する質問があるなど、地域包括支援センターとの連携について考える機会になりました。
第4回(7月10日)
「団地情報の活用方法を考える」
社協が仮設住宅団地ごとに作成している「団地診断シート」が支援団体に共有され、その活用法についてワークショップを実施。ワークショップ後の発表において「世帯の年齢層比率」「世代、年齢層、独居世帯数」「仮設団地周辺の環境」などを団地診断シートに追加すればよいのではないかという提案が共有されました。
第5回(8月21日)
「地域づくりコーディネート事業について」
石巻市がNPO向けに公募していた、「地域づくりコーディネート事業」交付団体の決定を受け、石巻市地域協働課から事業の概要説明が行われました。交付決定団体より事業内容の情報共有、質疑応答が行われました。
「地域づくりコーディネート事業を通して、地域自治力を高めるために、目指していることは?」との質問に対して、各団体の発表者「リーダーとコミュニティが生まれるのが目的」、「町内会が発足すらしていない地域で話し合う場を一緒に立ち上げたり、会議の手法が分からない町内会等に側面的な支援をしていきたい」などの回答がありました。
9月11日に予定していた第6回いしのまき支援連絡会は、豪雨の影響により10月に延期となりました。
(当団体の事務所も浸水し、半日以上片付け作業に追われました・・・。)
第6回(10月9日)
「市民へのアプローチの仕方を共有しましょう!」
各団体が地域住民と接している時に気をつけている点を共有し、各団体の活動に活かすことを目的に「市民へのアプローチを共有しましょう!」というテーマでワークショップを行いました。
初めての試みとして、幹事会に参加している団体でファシリテーター役を分担し、各テーブルで出た意見のまとめ等を行っていただきました。
このワークショップを通じて、団体によって住民と接する頻度やアプローチの違いを知ったり、住民との接し方に関する悩みを共有することができました。
第7回(11月13日)
「復興公営住宅の入居へ向けての取り組みについて」
石巻市地域協働課の職員を招いて、復興公営住宅の入居へ向けた取り組みに関する情報提供が行われました。
担当職員から、石巻市での市街地部と半島部の復興公営住宅入居者の情報や、復興公営団地の追加決定等を紹介していただきました。
その後、三重県四日市市再生協議会から「被災市民の活動に携わっている方々への差し入れ」として、いただいた大分県玖珠町(くすまち)で収穫された新米を、各団体でありがたく分配させていただきました。
第8回(12月15日)
「住民の今の声を共有しよう」
各団体が支援活動を通じて聞こえくる住民の声や雰囲気を共有することを目的に、社協のエリア主任・地域福祉コーディネーターとともに「今の住民の声を共有しよう」というテーマでワークショップを実施しました。
参加していただいたエリア主任と地域福祉コーディネーターより自己紹介があり、石巻で活動をしていても、活動拠点のエリアが違うだけで周辺地域や住民の状況も大きく違うことを実感した回でした。
第9回(1月15日)
「地域づくりコーディネート事業の取り組みについて」
年明けの最初の連絡会は「地域づくりコーディネート事業」交付団体による中間発表が行われました。活動状況や、事業を進める上での気付きなど、ポイントを踏まえ発表していただきました。
各団体の発表後には、4月から司会進行をしていただいている社協や、参加いただいた石巻市地域協働課よりコメントをいただき、行政、社協、NPOの間で情報共有を深めることが出来ました。
(第9回の連絡会の様子は、1月22日の石巻かほくに掲載していただきました。)
第10回(2月12日)
「地域団体との交流会」
今回は、石巻市内の地域団体との交流会が開かれ、全体で約40団体が参加しました。
昨年も交流会を実施したのですが、お互いの活動情報交換に終わってしまったので、今年はいしのまき支援連絡会幹事会の幹事団体の皆様にファシリテーターとしてご協力いただき「身近な支え合い活動」とのテーマでワークショップを行いました。
予想以上に参加者が来場したため急遽席を増加し、9つのグループで話し合いが行われました。
地域団体から「この交流会は半年に一度くらいやってほしい」との声もあり、連絡会の参加団体との交流が連携につながればなればと思います。
第11回(3月12日)
「次年度の連絡会について」
次年度の連絡会に関して参加団体からの意見を聞くため、「次年度の連絡会について」をテーマにワークショップが開催されました。
どのテーブルも連絡会の内容や頻度などに関し、真剣に話し合いが行われました。発表では、「交流会をもう少し頻度を多くしていただけたらありがたい」「連絡会は毎月開催がいい」「支援の終わり方も話すことができればと思っている」と様々な意見を聞くことができました。
その意見をもとに幹事会で来年度の連絡会に関して協議し、方向性や頻度などを決定していく予定です。
また、今回は市民活動団体の方が連絡会に参加があり、石巻のコミュニティや白地地区について熱心に語っていただきました。
後日開催された幹事会で、WSで出た意見を元に27年度の方向性と開催頻度を話し合い、平成27年度の連絡会は毎月第2木曜日の17:30から、幹事会は毎月第4木曜日の18:00からに開催することが決定しました。
石巻は被災から4年を迎えました。震災直後から様々なボランティアや支援団体の方々により、様々な取り組みが行われてきましたが、主役である地域住民に対して、外部団体が支援してきた活動を「どう引き継ぐか」という課題があります。
第 10回の交流会に参加していた市民活動団体には、10年~30年ほど前から地域で活動を続け、震災前から石巻につ いて考えてきた方がたくさんいらっしゃいました。石巻市内の地域活動団体の方を多く交え、より深く今後の石巻を考えていきたいと感じました。
私たちは今後も、いしのまき支援連絡会の参加団体と石巻市内の市民活動団体がより関わりが持てるようお手伝いさせていただきたいと考えています。
<いしのまき支援連絡会>平成27年度予定
■ 開催日:毎月第2木曜日 17:30~ (第12回連絡会 4月9日(木)17:30~)
■ 場所 :石巻市社会福祉協議会復興支援課 2階 (旧総合福祉会館みなと荘)
(宮城県石巻市湊町1丁目1−9 *Google Mapで見る)
石巻で活動されている団体はどなたでも参加いただけます。
ご興味のある団体からのご参加、お待ちしております。