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潮干狩り

水ぬるむ春、日和山の桜が咲き出した。潮干狩りシーズンの到来だ。でも海の水はまだまだ冷たい。

往時より砂浜の延長が半減した(50年前の漁港建設で)長浜の波打ち際を行く男性一人。長靴で手にはスーパー袋と棒切れ。足元を見つめて時折立ち止まりそこを掘り返す。浜には彼ひとり。今シーズン潮干狩りの先鞭?

「違うよ。そこらに掘り返した跡があるだろう」。見れば先に探し歩いた人がいた様子。「砂浜に貝の空気穴があいている。その周りをまさぐっているのさ」。袋をのぞかせてもらったら、大小のバカ貝が10個ほど。小1時間での収穫だという。「この時期のいい暇つぶしだよ。きょうは山菜を採ってからこちらに来た」。別の袋にはフキノトウが10数個入っていた。

潮干狩りの人と出会った所は漁港の東隣、海浜公園前の砂浜。2年前、ボランティアさんらに浜のガレキを取り除いてもらった所。今は元の砂浜に戻ったように見える分、貝たちも戻ってきたのだろうか。

とんとご無沙汰だった長浜での潮干狩り。思い出は漁港建設前に差が上る。五寸釘を木片に打ち付けたにわか作りの熊手で波打ち際をどこまでも引いて歩いたもの。「ガキッ」と釘先への感触にその辺を素足でぐりぐりとまさぐる。きれいなつやのハマグリが足裏に当たって拾い上げた。もちろん、家に持ち帰り汁にしてもらい食べた。

そういえば、漁港建設の杭打ちが始まると潮の流れが止まったのかバカ貝が採れたことを覚えている。大人たちが繰り出し浜は大にぎわいだった。以降、油膜の浮く浜から遠のいたが津波後、海は50年前程度には浄化してきたということだろうか。さらにハマグリが採れるようになったらと願わずにはいられない。

当地方での潮干狩りは東名と万石浦大浜のアサリ採りが有名だった。復活はまだだろうか。ついでに今夏から長浜の海水浴もどうでしょう。

【写説】煮て焼いて、てんぷらもよし。潮風とその味に春を感じて

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