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臨港線

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汽笛一声、門脇を

昨年末、石巻線の100周年記念イベントでSL機関車はC11が走りました。これの汽笛を聞いて、かつて南浜を北上川門脇河岸(魚市場があった)まで延びていた「臨港線」のSLを思い出しました。石巻市史によればこの線は昭和46年に廃止されたそうです。今は跡形もないその軌道を追ってみました。 聖人堀沿いだったはずですが記憶にあるのは大街道近くを行く昭和30年代の雄姿です。歩いた結果は‶この道の曲りぐあいが線路曲線に酷似″としのぶのみ。この線は貨物専用で東北パルプ(現日本製紙)まで来ていた線路(津波被災以降、休止していたこの鉄道輸送が去る2月、復旧した)を戦後、石巻市が資材(枕木3,500本、電柱60本、砂利1,000立米)を提供、国鉄が500万円、宮城県が1,420万円を拠出して昭和27年12月着工、翌年4月完工したのだそうです。

何を運んだかは当然、魚市場が始発終着ですから魚でしょう。冷蔵車で鮮魚(主にカツオ、サンマ)を築地まで送ったのです。それをけん引したのがC11でした。車体が比較的小さく軽重量、後方視界が効きバックが容易(魚市場に回転台はなかった)という特徴が生きたというところです。ちなみに、よくテレビニュースなどの背景に写る東京・新橋駅前の機関車もC11です。石巻・中里公園にあるのはより大きなC58です。

昭和43年の地図には想像どおりのコースで線路があった

「今、ここに線路があれば開通当時のままの門脇だろう」とは悪い冗談