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石巻焼きそば異聞

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石巻焼きそばと茶色い麺

「べっこうや」「佐藤氷屋」「やすりや」「ます商店」。小さいころ「焼きそば」を食べた店。いわゆるB級グルメとして定着した「石巻焼きそば」とは若干趣を異にして当時は「石巻」を冠して焼きそばを注文するなど思いもよらないこと。

「長ネギ、豚肉少々をいため、だし汁(魚介だし)で麺をほぐし焼きしつつ、天かすを加え目玉焼きと紅ショウガをトッピング。お好みでソースを」というのが今の作り方。小生が覚えているのは「刻んだキャベツ、玉ねぎを炒め、麺を投入、だし汁でほぐし天かすを加えた。塩を振りながらさらに炒め水分を飛ばす。出来上がりに紅ショウガをのせ、肉はなかった。

昭和30年代、焼きそば専門の食堂で大当たりした佐藤氷屋さんのイメージが強い。それ以前となるとB級どころか何級か分からない子供のおやつ。経木に一盛り5円。店(たな)こ屋でやっていた。

B級の名を得ると同時に麺もまた「茶色い麺」として話題に。マスコミで「石巻焼きそば」が紹介されるたび「二度蒸し麺」とのコメントが入る。「茶色」「二度蒸し」とは。

この麺の開発者が春元製麺(駅前北通り)の先代・菅原春吉さんと言われている。終戦後、麺の日持ちと柔らかさを出すため「二度蒸し」を思いついたとのこと。生麺を20分間蒸し水にさらし、また10分間ほど蒸す。この過程で麺に練り込まれた「かん水」が何らかの反応を起こして茶色になるという。麺にこしをだす「かん水」と相反する柔らかさの追求に1年、試行錯誤したという。ちなみに店名の「春元」ですが当時、ご夫婦で切り盛りしていたことから春治さんの「春」、奥さんの名モトヱさんのモトを漢字の「元」に置き換えて命名したとのこと。

手前は蒸す前の生麺。そして春元製麺の現ご主人・菅原清治さん