石巻発祥の地は湊らしい。伊寺水門(いしのみなと)と呼ばれた時代からだそうだ。それなりに発展してきた湊だが今は壊滅状態。北上川左岸に連なっていた街を思い出し、あえて旧町名(昭和41年以前)を頼りに‶まち歩き″。
湊地区の最北、「藤巻(ふじのまき)」から。地名は昔ながら。小さな稲荷神社の祠が目印。何年か前のこと、境内の樹齢何百年とかいう松の大木が枯れ、伐採の話が出たのだが‶たたりがある″と一騒動に。しかし、その後の話は今もって聞かないので何事もなかったのだろう。
この辺は川の際まで山が迫り、か細い道際に何軒かの石屋さんが山裾に張り付いている。北西の川風がまともに吹き付けるこの時期、集落はいかにも殺風景だ。あらためてあの老松がランドマークだったなあと思わされる。